02.投資先としてのポルトガル |
1.投資先として注目を浴びる理由とは
2.ゴールデンビザプログラム |
1.投資先として注目を浴びる理由とは
金融危機以降、GDPも堅調に回復しており、2014年には金融支援プログラムを脱却している。また、2012年に政府が公布した、ゴールデンビザ計画により永住権が得られやすい付加価値があることから、投資先としての人気が高まっており、住宅を中心に販売数や価格が右肩上がりに成長している。
金融危機以降、GDPも堅調に回復しており、2014年には金融支援プログラムを脱却している。また、2012年に政府が公布した、ゴールデンビザ計画により永住権が得られやすい付加価値があることから、投資先としての人気が高まっており、住宅を中心に販売数や価格が右肩上がりに成長している。
ポルトガルは、月額賃料に比べ住宅価格が安価であるため、EU内においては比較的優良な投資先といえる。
出典:
Eurostat http://ec.europa.eu/eurostat/statistics-explained/index.php/GDP_at_regional_level
GLOBAL PROPERTY GUIDE http://www.globalpropertyguide.com/Europe/Portugal/Country-Statistics
Eurostat http://ec.europa.eu/eurostat/statistics-explained/index.php/GDP_at_regional_level
GLOBAL PROPERTY GUIDE http://www.globalpropertyguide.com/Europe/Portugal/Country-Statistics
2.ゴールデンビザについて
(1)制度名称
Golden Recidence Permit Program(ARI) ※通称:ゴールデンビザプログラム
(2)目的
・リーマンショックを引き金とした金融危機から国家の立て直しを図るため、ポルトガル政府が2012年10月に公布した、ポルトガル国内への投資を奨励する政策
・不安定な世界の治安情勢のなか、ポルトガルは比較的治安が良いため、安全な環境での生活・観光機会を提供
(3)実績
2017年4月時点では、31億€の投資が行われ、8000世帯に対して投資移民ビザを発行。
初期より中国からの投資が盛んに行われており、近年ではロシアやブラジル等治安に不安を抱える国や類似言語圏からの投資も伸びてきている。
(4)概要
・ゴールデンビザ=ポルトガル永住権取得の主たるメリットについては、次の通りである。
①シェンゲンエリア内にビザなしで自由に出入国することができること
②ポルトガル人と同じ条件で就業、起業、就学をすることができること
③希望次第では国籍も取得できること
・『対象者』については、非EU圏の国民で、申請者の両親や子供等、3世代にわたって適用することができる。
・『ビザ取得プロセス』について、取得に要する期間は約5年間である。
・『ビザ取得条件』について、他の投資移民受入国として知られる国々と比較しても、投資金額や手続き面でのハードルが低く投資を行いやすい。
(5)詳細
『対象者』について:申請者のほか、3世代にわたって適用される。
①申請者
・非EU圏の国民であること
・18歳以上であること
・ビザ取得条件を満たしていること
・健康保険に加入すること
・犯罪歴がないこと
②従たる申請者
・配偶者
・18歳未満の子女、18歳以上で全日制の学校に在学している子女
・経済的独立していない(リタイア等により)父母
『ビザ取得プロセス』について:取得に要する期間は約6年
(1年目) ・不動産取得、居住ビザ申請手続き(審査期間:約90日間)
・通算7日間の滞在
(2年目) ・居住ビザ更新(更新期間:約60日間)
(2-3年目)・通算14日間の滞在
(4年目) ・居住ビザ更新(更新期間:約60日間)
(4-5年目)・通算14日間の滞在
(6年目) ・永住権取得
『ビザ取得条件』について:条件は主に下記いずれか一つを満たすことであり、『不動産投資』が比較的容易。
・50万€(エリアによっては35万€)の不動産投資を行うこと。
・基本的には100万€の資本金を出資することであるが、投資先によって条件が変わる。
(研究機関:35万€、文化芸術関連:25万€等)
・10人以上の雇用を生み出すこと
『不動産投資』について:投資金額や手続きのハードルが比較的低い。
・金額: 50万€(エリアによっては35万€)
・種別:問わない
・数:問わない
⇒合計で規定の投資金額を超えていればよいということ
・資金の出所:問わない
⇒共同名義による合同取得でもよいということ(ビザ申請者は代表者に限る)
・所有権:ビザなしでフリーホールド権が守られる
・賃貸事業:可能。賃貸収入を得られる。
・その他:永住権を得る前に不動産を売却しても、ビザ申請の権利は保持できる。
(6)他国の投資移民ビザとの比較
ポルトガルは、比較的投資のハードルも低く、ビザの条件も良い。
ポルトガルは、比較的投資のハードルも低く、ビザの条件も良い。
国名 |
投資金額 |
投資対象 |
投資条件について |
ビザについて |
ポルトガル |
6,500万円 (4,550万円) |
不動産 |
― |
・投資永住権 ・3世代に渡り適用 |
アメリカ |
5,650万円 |
企業 |
・米国民局が指定する地域内のプロジェクトへの投資 ・永住権取得後、自立した生活の維持 |
・グリーンカード(EB-5プログラム) |
オーストラリア |
5,650万円 |
債権 |
・12,900万円以上の投資経験※直近5年度 ・19,400万円以上の純資産保有※直近2年度 |
・4年間の投資家ビザ取得後、永住権投資家ビザに切替 |
ニュージーランド |
25,000万円 |
金融商品 |
・投資期間は4年間 ・ビジネス経験、英語力評価 ・2年目以降、146日以上の滞在 |
・投資永住権(Investor Plus, Investor2種) |
シンガポール |
20,000万円 |
企業 |
・3年以上の経営実績 ・年間40億円以上の売上 |
・起業家・経営者プログラム(資産家プログラムは停止中) |
マレーシア |
800万円 |
定期預金 |
・月約26万円以上の収入 ・約1,300万円以上の資産保有 ※50歳未満の場合 |
・ロングステイプログラム ・最長10年間(更新可) ・家族も適用 |
タイ |
3,300万円 |
不動産 定期預金 |
・投資金額は、①コンドミニアム購入、②預金期間は3年間、③国債購入のいずれか又は合計とする。 |
・投資家ビザ・1年以上のビザ発給(要更新) |
フィリピン |
560万円 (230万円) |
定期預金 |
― |
・特別居住退職者ビザ(SRRV) |
カナダ (2014.2より停止中) |
7,000万円 |
預金 |
・14,000万円以上の資産保有 ・2年以上の経営者・マネジメント経験 |
・投資家ビザ |