05.アズレージョ ギャラリー |
正方形の絵付けされたセラミックタイルのことで、アラブ語の「zellige」、「なめらかな磨かれた石」という意味が名前の由来。
~15世紀~ スペインより表面に凹凸のある華やかムデハルスタイルのタイルが伝わる。幾何学模様や植物、歴史、神話、宗教がモチーフとなる。 ~16世紀~ 表面が滑らかで描画風のマジョリカスタイルが伝わる。イタリアやスペイン等より、製作技術が伝達され、国内生産が始まるとともに、芸術性が高まる。 ~17世紀~ 中国や日本の磁器の影響を受けた、青単色の、オランダのデルフトスタイルが流行した。比較的安価に生産できるようになったことから、宮殿では、タペストリーに代わり戦いの場面を、教会や修道院でも聖書をテーマに広い壁面に描かれるようになった。 ~18世紀~ セラミック工場による大量生産が可能となった。植民地としたブラジルでも需要が高まった。この頃の前半のトレンドは、バロックスタイルの多採色且つ緻密なタイルであり、後半になると、これまでの物語を描いた大きな画ではなくロココスタイルの小さな図柄が流行した。宮殿や教会だけではなく、公共施設や一般住宅にも普及し始めた。この頃までは主に内装の装飾に使われていた。 ~19世紀~ ナポレオン軍等の影響により経済変革が起こり、生産量は減った。この頃になると、内装だけでなく外装にも使用するようになった。これはブラジルより逆輸入されたスタイルである。また、多彩色で大量生産ができる技術が発達した。 ~20世紀~ 外国産の安価なプリントタイルが輸入され庶民にも手が届くようになった。しかしながら、国産タイルは、ハンドペイントを重んじ多くの場合はこのスタイルに倣い、魅力的な街並みを形成した。また、独裁政権時代には、ヨーロッパで広まったモダニズムのスタイルに迎合せず、保守的であったことも、伝統的な街並みが守られた一因でもある。 |